望月がリレーショナルデータベースを利用した品質管理アプリケーション
についてお伝えします。
最近の案件で、複数装置の測定結果を自動収集した上で正規分布化し、
日替わりでグラフ表示するというアプリケーションを作成しました。
一日で数百件、年間で数万件以上に及ぶ測定データを管理するにはCSV
ファイルなどへの保存では少々大きすぎます。
また、収集対象がローカルの装置ではなく、複数台にわたる測定装置の
場合、データアクセスの取り合いが難しい問題となります。
こういったケースで有効なのがデータベースです。
さらに、リレーショナルデータベースであれば複数データ間では共通と
なるような情報、例えば別の日に測定したそれぞれの結果に対して
測定条件は同じなどの場合、測定結果そのものと測定条件を別テーブル
で管理し、それぞれのテーブルを固有IDで関連付ける事でデータ容量の
削減やアクセス時間の短縮にもなります。
測定装置として単純な測定結果の規格値に対する合否はもとより、昨今
では品質管理の観点から測定結果の日々の傾向から製造ラインの異常を
事前に判断するような必要があり、今後このような形のアプリケーション
の要求は増加するものと思います。
また、こういったシステムであれば、合格品ではあるが潜在的な不具合
をもつ2次不合格品を出荷前に検出できる事があります。
これは現状では単なる正規分布による判断ですが、膨大な収集データを
生かし、将来的にはマシンラーニング手法による判定等も視野に入れる事
が可能かと思います。
今回作成したアプリケーションでは、測定装置の各クライアント側には特に
データベースの導入を行なわず、サーバー側がネットワーク経由で測定
データを収集し、データベースに保存する構成をとっております。
この形であれば、既存の装置であってもネットワーク接続された環境で
あれば、データサーバ側が勝手にデータ収集し、各データフォーマットを
理解してデータベースに落とし込ませる事で測定結果のデータベース化が
可能となります。