省配線の罠

 望月が「省配線の罠」についてお伝えします。

 少し前の案件ですが、ワークに一定の負荷を印加してそのねじれを測定
 する装置を製作した時の話です。

 ねじれの測定は、片側は高分解能のエンコーダを、反対側はワーク駆動用
 に使用しているACサーボモータのエンコーダモニタ信号を利用したの
 ですが、ここで妙な現象が発生しました。

 なぜか、高速でACモータを回転させればさせるほど、両側でのねじれが
 小さくなっていくのです。

 普通に考えれば、高回転になるほど摩擦が大きくなるのでむしろねじれが
 大きくなるか、何も影響がないかだと思っていたら逆の結果になっていく
 ので頭を抱えました。

 試行錯誤の末、行き着いたのがエンコーダの省配線でした。

 省配線=シリアル転送方式である以上リアルタイムなデータは送信が
 できず、実データからそれなりに遅延が発生するはずだ、という推論
 からメーカーに技術的な事を確認したところ、裏づけが取れました。

 やはりエンコーダの転送遅延が原因で、高回転になる程、実データと
 ずれが発生していました。

 今はむしろACサーボモータのエンコーダ配線は、省配線ではないのを
 選択するのが難しいくらいありふれたものになりましたが、製作当時
 はまだ省配線が出回り始めた頃で、深く考えもせずに利便性だけから
 省配線を選択してしまいました。

 今冷静に理論立てて考えてみると当たり前の恥ずかしい失敗なのですが、
 楽だからという理由だけで選ばずに必要な機能はなんなのか、という
 のもしっかり見極めないとこんな失敗もしてしまうという例ですね。






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